エアコン工事の中で一番危険な作業

エアコンを廃棄や、移設の為に室外機や室内機を取りはずしますが、その時冷媒を室外機に回収するためポンプダウンを行わなければなりません。この作業は手順を間違えるとコンプレッサーが爆発します。エアコン工事の中で一番危険な作業です。実はやり方は協会やメーカーで微妙に異なりわかりずらいものです。

事故情報データバンクシステムの事故情報

事故情報データバンクシステム(過去の事故をだれでも閲覧できる消費者庁と独立行政法人国民性格センターが作成した公的なシステム)によると室内機(コンプレッサー)の爆発事故は2014年以降10年間で11件起きています。2017年9月には福岡でも起き重症者が出ています。

年/月/日
事故作業原因作業者
被害者発祥地
2017年9月12日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者福岡県
2015年6月10日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者軽傷3名
東京都
2015年4月27日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者重傷(手指)東京都
2014年5月19日
圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者軽傷1名
東京都
2013年10月1日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者軽傷2名大坂
2011年9月30日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者
2011年8月10日圧縮機爆裂修理作業空気混入業者軽傷2名
2010年7月7日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入消費者軽傷1名
2009年7月16日圧縮機爆裂修理作業空気混入業者
2009年4月16日圧縮機爆裂ポンプダウン空気混入業者軽傷3名
2008年7月1日圧縮機爆裂修理作業空気混入業者

11件は共通してポンプダウン作業中コンプレッサー(圧縮機)に空気が混入した事が原因でした。

東京都商品等安全対策協議会の提言はポンプダウン作業は消費者(エアコン購入者)ではなく業者が実施すべきとありますが、実際のところ事故を起こしたのは1件の消費者を除き全て業者です。業者であっても事故を起こしています。ポンプダウンは3分で終わります。事故情報の表から業者による作業でコンプレッサーに空気が混入し圧縮機が爆裂したことが判りますが、なぜこのようなことが起きるのか、それは説明文が解りずらい1点に尽きます。


要はポンプダウン作業中コンプレッサー(圧縮機)に空気を混入させない事で防げることです。ですので業者が起こした事故はポンプダウン中にフレアナットを開け空気を入れた「単純ミス」です。

日本冷凍空調工業会では圧力計(ゲージマニホールド)を爆発事故防止のたに推奨とありますが、この単純ミスは防止できません。

エアコンの仕組みを知る

エアコンの仕組み

 

コンプレッサー

自転車のタイヤに空気を入れると青い高圧タンクが10℃前後高温になります。同じ原理で圧縮機(コンプレッサー)に空気を高圧に入れると高温になり最終的には爆発します。



エアコンを移設したり取り外す際、冷媒を室外機に回収するポンプダウンの手順

<必要な道具>

ポンプダウンに必要な道具

万一空気が入るとコンプレッサーの温度は上昇し冷凍機油が発火点に達しディーゼル爆発を起こします。コンプレッサーの爆発事故を受けメーカー側も警告シールを張るようになりました。


コンプレッサー取扱注意シール


この警告シールは今一つわかりずらいですね。何をしたらいけないのかがわかりずらいですし、業界各メーカー、行政も一貫性がないのが現状です。

ポンプダウンを圧力計を使用する場合が0Mpaで終了する。時間の長さでポンプダウンする場合は3分という時間で終了を指定しポンプダウンが終了するまでフレアナットは触らないと記した方が解りやすいですね。このページの説明は圧力計を使用しない3分時間方法です。理由は東芝やパナソニックなどの時間法がシンプルで途中でフレアナットに触れたりする単純ミスを防止できるからです。


ポンプダウン作業の流れ

準備:配管カバーを外してバルブキャップを外す。
強制冷房運転で冷えを確認(10分間)します。もし冷えてないならばポンプダウンは中止する。送り側フレアに霜が付くときもポンプダウンは中止する。

各メーカーのポンプダウンと予備運転の方法

エアコンメーカポンプダウン終了
予備運転
日本冷凍空調工業会
圧力計がほぼ0Mpaなし
三菱圧力計が0.05~0Mpa
なし
富士通連成計が0.05~0Mpaなし
シャープ圧力計がほぼ0Mpa5~10分
パナソニック
2~3分5~10分
東芝2~3分5~10分
日立1~2分
ダイキン2~3分5~10分
コロナ2分間10分以上
長府製作所1~2分
約5分
アイリスオーヤマ
2~3分5~10分


各メーカーのポンプダウン方法

メーカー
強制冷房の方法
日本冷凍空調工業会
なし
三菱
電源抜き15秒後に再度入れ室内機の応急運転1回押す
富士通フィルターリセットボタン10秒以上押し
シャープ
リモコンで運転開始後室内機の試運転スイッチ5秒長押し
パナソニック
室内機の「応急運転」ボタンを約5秒長押し(ピッ)
東芝
室内機の「自動運転」ボタンを約10秒押し(ピッ)
日立
室内機の「応急運転」スイッチを約5秒以上押す
ダイキン
室内機の運転/停止ボタン5秒以上押し
コロナ
リモコンし運転ボタン押す 室内機のランプ(緑)が点滅
長府製作所室内機の「応急運転」押し「ピッ」5秒間押し続け、「ピッピッ」で離す
アイリスオーヤマ室内機の「強制運転」ボタンを10秒押し(ピッ)


予備運転とは冷房(必ず冷房運転)の効きをチェックしポンプダウンするかどうかを判断します。冷房が効かなければポンプダウンは絶対しない。

エアコンの冷え確認

送り側(細管)バブルを全閉(時計回り)してポンプダウン開始



エアコンの冷媒

送り側バブルに水滴が付く程度、白く霜が付く場合は冷媒不足、ポンプダウンを中止し冷媒回収か補充のいずれかで対応する。冷えないエアコンはポンプダウン厳禁


3分後運転を停止し受け側(太管)バルブを全閉してポンプダウン終了


業務用エアコン掃除 福岡

電源プラグを抜いてエアコン停止



警告
1つ目 冷房が効かないエアコンはポンプダウンしない
2つ目 ポンプダウン終了までフレアナットには触れない(緩めない)
過去起きた爆発事故は2つ目の警告を無視したことででした。同業者の皆さんの一助になれば幸いです。